毎日モザイク

White Room Layout Works

Archive for 2009/04/17

2009-04-17T06:48:41+09:00 [Fri]
--> [日常]

鎚起銅器。

出勤途中に、池袋の全国伝統的工芸品センターに寄ったら、燕の鎚起銅器が展示してありました。

ここは、たまに寄るんですが、大胆な買い物をする人がいて驚きます。例えば、幼児のお弁当箱としてまげわっぱを買って行ったお母さんとか。今時の幼児なのに、まげわっぱのお弁当箱を買ってもらって、とっても嬉しそうにしてました。渋すぎw。

で、表題の鎚起銅器ですが、お値段にぶったまげました。

2リットルくらいのヤカンで20万円くらい。調べてみたら、普通クラスでも5万前後します。キャー。

実家界隈では、昔はヤカンと言えば鎚起銅器。建水も茶筒も茶匙も急須も、金属の器類は概ね鎚起銅器でした。あのへんのどこの家にもあったと思います。

薪には鉄瓶。当時の鉄瓶はガスで使うと痛むってことで、ガスには使いませんでした。ガスが普及した時点で、鉄瓶はほとんど使われなくなりました。鎚起銅器は、主に炭火で使ってました。この辺の使い分けは、単に、鉄瓶は黒いから、薪の火で煤けても気にならないって程度だったと思います。鎚追銅器のヤカンは、ガスが普及してもけっこう使われてました。でも、緑青が出たり、錫引きのところが変色したりとなにかと不便。ステンレス製品が出回ってからは、大雑把に使えて、ガスでも余裕なステンレス製に置き換えられてしまいました。

でも、年取ってから見ると、あの鎚跡で作られた文様が妙にいい塩梅なんですよね。

ただ、一般家庭で廃れただけあって、扱いが何かと不便。しかも、既に実用品っていうより伝統工芸品の仲間になっているので、概ねお高い。茶筒と茶匙くらいは…。って思っても、なかなか手が出ません。水回りものでも50年以上は余裕で使えるので、普及品クラスなら決して高くはないんですけどね……。

鎚起銅器の有名どころは、 玉川堂さんとか。こちらは、無形文化財クラスなので、さすがに惹かれるものが多いです。高いですけど……。お勧めはC-1の茶筒。この鎚肌文様が、たぶん一番一般的で、この文様の茶筒と茶匙と茶托と急須と建水が、どこのご家庭にもあったものです。

安めのラインでも、今揃えたら10万じゃ足りないな……。

余裕のある方はぜひ、おひとつ。